役員給与 職務の執行を開始する日
(Q6)事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日とは、いつをいうのでしょうか。
(A)事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日がいつであるかについては、基本的には、その役員がいつから就任する者であるかなど、個別の事情に応じて判断することになります。
ところで、会社法においては、役員の選任やその職務執行の対価の決定が株主総会の決議により行われること(会社法329①、332①、361①)、取締役は計算書類を定時株主総会に提出しその承認を受けなければならないこと(会社法438)などと規定されているところです。これらの規定からすれば、一般的には、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価と解するのが相当です。
事前確定届出給与も役員の職務執行の対価であることに変わりはありませんから、一般的には、事前確定届出給与に係る職務の執行も定時株主総会終結の時から開始されることとなります。したがって、「職務の執行を開始する日」とは、定時株主総会の開催日ということになります。
ただし、実務上、役員給与については月払が一般的でしょうから、例えば、3月決算法人が5月26日に定時株主総会を開催し、定時株主総会の翌月の6月1日から開始する職務に対して役員給与を定めるようなケースも多いと考えられます。
このように、役員給与について、「職務の執行を開始する日」を定時株主総会の日以外と定めた場合であっても、その日が定時株主総会の翌月初であり、かつ、定時株主総会の日に近接する日であれば、税務上も、事前確定届出給与に係る「職務の執行を開始する日」として企業実務の観点から是認し得るものであると考えられます。
したがって、この事例の場合には、
① まず定時株主総会において「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」を定めて、
② 職務の執行を開始する日と会計期間3月経過日とのいずれか早い日、すなわち、6月1日と6月30日とのいずれか早い日である6月1日までにその「定め」の内容に関する届出を行い、
③ 6月1日には実際に職務の執行を開始しており、
④ その「定め」どおりに、確定額として届け出た金額を支給すれば、
事前確定届出給与に該当することとなります。
(注) 上記②の届出期限については、その事業年度が平成18年4月1日以後最初に開始する事業年度である場合には、所要の経過措置が講じられています(Q7参照)。